序章 考えごと

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人の一生は、いったい何の為にあるのだろうか? 眠れない夜、羊を数えるのは面倒なものだから、そんなことをよく考えていた。 その結論は様々に至った。 人生を楽しむ為にだとか、人類の未来の為にだとか、宇宙の全容を解き明かす為にだとか。 或いは、全く意味のないもの。 このことを考える度に、僕は憂鬱になる。生きていたって、最後に待ち受けているのは「死」という苦痛だけ。 神様は残酷だな、と思う。どれだけ人生を頑張っても、どれだけ良いことをしても、みんなバッドエンディングで終わってしまうのだから。 ちょっとしたセンチメンタルに浸りながら、暗闇に引きずりこまれるように僕は眠りにつく。 朝陽を浴びてしまえば、そんな暗闇も晴れてしまうのだけれど。 「いつもの僕」ならば。
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