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派手に金属の不協和音が鳴り響いたかと思うと、蜘蛛型のマシンが放った攻撃は、全てが蒸発し、霧散していくのが見えた。
『バリア、なのか?』
しかし当然ながら、友矢の問いに答える者はいない。
明確な答えを得られぬまま、二人はただただ見守るようにして傍観していた。
蜘蛛型の攻撃が始まって間もなく、人型の機械がその巨大な翼を羽ばたかせはじめ、あろう事か、まっしぐらに弾丸が発射されている方向に、迷うことなく進んでいった。
やがて紅い塊の拳は、弾丸の発射口に達する。
そして《壁》に包まれた拳は、弾丸を蜘蛛型の口内で暴発させた。
「ピギィィィィィィィィィィィィィ!!!!」
自身の体が痛むのか、苦しそうな、甲高い悲鳴が大気中に駆け巡る。
悪魔の攻撃を振り払うように、無理矢理引き離したその口は、ボロボロになり、見るも無惨にひしゃげていた。
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