プロローグ

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-ライン宿舎- ※ラインとは、未知なる敵、機械生命体『バックス』に対抗するために造られた機関であり、日本防衛の要となる組織である。 基本的にラインの隊員達は、本部でもあるライン宿舎に待機しており、日夜平和を維持すべく活動している。 また食堂なども完備してあるために、生活面での不備は無い━━らしい(神崎翔談)。 「も~い~くつね~る~と~。お~しょ~うが~つ~」 「冒頭から何をバカ丸出ししているんだ……」 「おう友矢!これ見てくれよ」 「ガ🌕プラ…………か?」 金髪の青年。森小路友矢(もりこうじともや)がそこで見たのは、《MG》と書かれた大きな箱と、少しばかり小さめの鏡餅。そして鏡餅に乗りそうなミカン。 ……と満面の笑みを浮かべる蒼髪の青年。神崎翔(かんざきしょう)。 「形式上聞いておいてやる。…………何をやってるんだ?」 「いやな、俺は思ったんだ!明日は元旦だろ?だからそれに因んで《ガ🌕タ🌕ク》。《元旦来る》……な?似てるだろ!?だから俺が流行らす!!今年から流行らすんだ!!」 「…………ハァ」 溜め息と共に、彼の妹である神崎陽(かんざきよう)の苦労を痛感する友矢であった。 そんな何時ものやり取りをしている、ゆったりとした雰囲気が、バックスの襲来を示す警報でかき消される。 「バックスか!」 「恐らくはそうだろうな……」 ガ🌕ダムマーカーを片手にその場で立ち上がる翔の姿は、少しばかり滑稽であったが、その目には確かな闘志がちらついている。 「全く、年がら年中攻め込んで来やがって……年末年始くらい休ませてくれよな」 「……お前はいつも休んでいるだろうが……」 部屋から走り出す二人。 『何時もと同じ』。 だが、人類の存亡を賭けた闘いが既に始まっていることを彼らは知らない。
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