UNIT/3

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人が親切に接したのに、それをいきなり笑われて、友矢があまりいい気分はしないのは、言うまでもない。 「いや。《倒した》ってのじゃ語弊がある…………《殺した》、だろ?」 「なっ!」 「なに驚いてやがる?有人機であれ、無人機であれ…………俺たちが《殺した》のに変わりはない。…………違うか?」 初めて見せた笑顔━━━━残忍な笑みを浮かべたまま、耕助は続ける。 「俺はな…………嫌いなんだよ。《正義》の名の下に行われる《戦い》が。そんな免罪符が許される世界も嫌いだ」 居心地が悪くなり、そう告げて、耕助は立ち上がり、そのまま何処かへ去ろうとする。 「なら……君自身は?」 哀愁感漂う背中を向け、この場を後にしようとする耕助に、友矢は疑問を投げかけた。 すると耕助は、 「この世の中で一番嫌いだ。誰よりも《生きたい》って考えてるからな」 哀しく笑いながら、自嘲気味に答えた。 (それでは…………虚しいだけじゃないか) 人知れずに握り拳を作り、力を込める友矢。 このままではいけない、と。 確かに感じながら。 そんなやり取りを眺めていた翔とシデンは、 「難しい()だな……」 「耕助は今まで《暗い部分》を見過ぎた。…………心が押し潰されちまったんですよ」 「誰にだってそれくらいはあるさ」 「問題は、その後……と」 案外、第三者の方が本質を理解しているものである。
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