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時を同じくして太平洋上空。
-カリバーン-
※カリバーンとは、大国メリアの軍。そのメリア軍第七独立部隊に所属指定されている、全長四百メートル強の強襲用戦艦である。
カリバーンは人型軍事兵器『アームド・ギア』を多数収容している、メリア屈指の軍艦である。
ちなみに当たり前だが、カリバーンのほぼ全ての権限は、艦長である『セブルス・バルクライン』にある。
「何…………?カリバーンの進行ルートに巨大な熱源反応だと?」
「はい。識別コードに該当しない部分を見ると、恐らくは何処かの新兵器の類だと。しかし、先程から通信を試みてはいるのですが、反応が一切ありません」
「せっかく日本にお呼ばれされたのに…………まーた面倒ごとッスか?」
艦橋の中で、厳格な雰囲気を纏った、渋い空気を醸し出す三十代前後の男性。艦長である《セブルス・バルクライン》が、漆黒の長髪を持つ、《ファーナ》という少女に対して状況を確認する。
そして二人の会話を小耳に挟んだギアのパイロット。《チェスリー・ウェーバー》は、二十歳とは思えぬ抵身長(142㎝)を伸ばしながら、肩まである茶髪を揺らしていた。
『総員、第二種戦闘配置。尚、パイロットの四名はギアに搭乗し、待機しておいてください』
冷静に状況を判断したファーナは、セブルスの考えを読み取り、即座に行動に移る。
「そんじゃ、行ってくるッス」
ファーナの伝令に該当したチェスリーは、走りながらそう告げて、ギアを保管する場所へと向かった。
「何事も無ければよいが……」
しかし、セブルスの勘は杞憂ではなかった。
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