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「どうした、シデン?眉間にしわなんか寄せやがって。俺みたいになっちまうぞ」
カリバーンの廊下を走る、白髪の少年。《ギア・モデルパラディン》のパイロットである《ミハエル・G・ハァスナ》が、同じくカリバーンのパイロット。真紅の髪を持つ《シデン・アルターナ》に問いかけた。
「懐かしい、のか?」
「質問に質問で返すってのも変わってるねェ~。さっすが俺っちの兄弟。理由を聞かせてくれよぉ」
ミハエルの問いに応じたシデンに、揚げ足をとるようにして詰問したのは、《ナナシ・アルターナ》。荒々しい黒髪を腰まで垂らしている。
アルターナと名乗ってはいるものの、彼ら二人は血のつながった兄弟ではない。
そんなナナシに言うわけでもなく、ミハエルに言うわけでもなく、ただシデンは感じたことを口に出した。
「前に感じたことがある……俺はこれを知っている?」
シデンが呟くように放った言葉は……当たっていた。彼は以前、確かに出会ったことがある。
あの《悪魔》に━━。
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