プロローグ

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-太平洋- 「何だって?バックスかどうか判らない?どういうことだよ陽!?」 『ちょっと落ち着いてよお兄ちゃん!熱源反応のパターンがかなり似てる…………だけどまだバックスと断定できないの!』 映像から、自分と瓜二つの髪色をした少女。《神崎陽(かんざきよう)》。ウェーブのかかった蒼い髪は、自分の雑なものとは大きく違っていた。 「だってよぉ~!今から俺戦いに行くんだぜ?中途半端な情報で行くのは怖いしさ~。無関係の人とかだったらどうすんの?攻撃されんじゃん!」 『年中中途半端が何を言うんだ…………全く、姉さんからも言ってやってくれ!』 『翔さ~ん?今ライン全館の掃除を行っているので、散らかっている部屋は特に重点的にやってもらっているんです。ですから翔さんの大切なもの…………例えばゲーム機のDSPとかが無くなっちゃったりしているかもしれませんね?』 映像回線で繋がれた、ライン指令部の光景は、百点満点の笑みを浮かべている、金髪の美女。友矢の姉である《森小路綾(もりこうじあや)》がいた。 おしとやかでナイスバディで…………何というかこう。「アイドルじゃない?」ってな感じの人である。 そんな彼女の笑みが、翔には悪魔のように見えたのは言うまでもない。 「はいはいはいはい!やりますやらせてください!バックス(?)もお掃除も!!」 必至にゲーム機(とついでに日本の平和)を守ろうとしている翔を観て、綾は安心し、信頼の表情を翔へ向ける。 『用心に越したことはないのですから……しっかりとお願いしますよ?《メテオライナー》のパイロットは翔さん。あなたなんですから』
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