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異様。
その光景は、正に異様であった。
なぜならば、機械の兵器達が、既に戦いを繰り広げていたからだ。
一体は紫色の毒々しい蜘蛛。
八本の脚が、まるで生物のように動いているのが見える。
そして、もう一方は完全な人型。
漆黒の翼。紅の鎧。悪魔のような外見をした装甲である。
その両者が、火花を散らして、空中を縦横無尽に動き回り、熾烈な攻防を繰り返している。
『オイ友矢…………何だよ《アレ》?』
『知らん!僕に聞くな…………。兎に角、分かるのはただ一つ。…………僕たちには、まだ知らない世界があるということだけだ』
そんな折、人型とは異なるタイプの、蜘蛛を象ったマシンが、口から針に酷似した弾丸を、無数に人型へと放つ。
それを見た人型は、
『《オーラ・システム》解放!!ハアアアアアアアアアアッッッッッ!!』
機体から少年の雄叫びがあがると同時に、人型のマシンは周囲に半透明の《壁》を造り出した。
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