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雨に打たれながら、ダルは背中の違和感に気が付いた。
手をのばして確認してみると、そこには一対の羽が付いていた。
ダルはこの病気の事を知っていたので、すぐに自分の状況を知ることが出来た。
しかし、理解できてもこれを受け入れる事は出来なかった。
「ア、アァ・・・違う・・・俺じゃない・・・俺じゃない!!」
ダルはその場から逃げた。
途中、瓦礫やダルが引き裂いた亡骸などに躓きながらもとことん逃げた。
行き先は決まっていた。
あそこしかない。
小さい頃から大好きだったあの場所。
街を一望出来るあの丘しかなかった。
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