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絶え間なく降り続ける雨の中、無防備にも横たえている二人。
その二人に向かってくる足音があった。
コツッ、コツッ、コツッ。
芝生の上なのに、何故か無機質な音を立てて近づいてくる。
「無様なものだな。」
近づいてきた者の言葉は機械の様に感情がなく、氷河の様に冷たかった。
その者は、黒い革靴に黒いスーツ、そして、サングラスをかけていた。
がっしりとした体つきで、服の上からでもその力強さが感じられた。
男は気絶しているダル達に歩み寄ると、まるで氷の様な冷たい目でダル達を見下ろした。
「コイツが感染者か。まだ、ガキじゃないか。」
男はダルの手元に落ちていた女の刀を持った。
「No,003『東方の炎姫』は名前だけだったか。」
男は、女の刀で女の喉元にその刀を構えた。
「『任務に失敗したものは死を持って償うべし。』・・・という訳だから死んでもらうぞ。炎姫。」
そう言って男は女の喉に刀を突き刺した。
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