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「落ち着け、まだ慌てる時間じゃない」
そっぽをむいてい左腕を抱え込む赤木さんと、右手の小指を遠慮がちに握って、俺を無表情で見上げている緑川の二人にホールドされて身動きがとれなくなった俺は、二人を諭すように優しく語りかける。
「いいか、よく聞け。お前達が何を考えてこんな事をしてるかは皆目見当もつかないがこれだけは言っておくぞ……赤木さんの胸が……凄く柔らかいです……凄く柔らかいです」
大事な事なので二回言いました。
洋服を着ていると見た目では分からないが、慎み深いなかでも特有の柔らかさもつお胸様を堪能する。
「へぶしっ!」
「このクズが!百回箪笥の角に小指ぶつけろ!」
「酷いな赤木さん……何もビンタする事ないじゃな……イタ?イタタ……右手の小指が変な角度に!イタイ!地味だけど痛い!」
俺にビンタをした赤木さん。
右手の小指を変な角度に曲げようとしている緑川。
「……よしはる……覚えとくけん……覚悟しとって」
負のオーラとはこの事を言うのだろうか、緑川から目視できる程の黒い何かが溢れ出てきている。
「ちょっと待て!二人が俺を捕まえるのがそもそもの原因だろう!」
俺をそのままスルーしてくれればこんな痛い思いはしなくて済んだのに……
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