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「…いってぇ…ッ…なんだぁ?」
頭にいきなり衝撃が走ったことに驚き、頭を擦りながら私のほうを向いた。
(やばい…絶対怒られるよ)
そう思った私は目を瞑りながら怯えていると
「なんやこれアンタのか…?…落としてもたんやな…あぁフルーツ牛乳か…これうまいよなぁ…」
怒られると思った私は
その優しい口調に驚いて
止まってしまっていた
すると
不審に思ったらしく
「大丈夫か?…なんか…怪我したんか?」
と私の頭をクシャっとなでながら話し掛けてきた
返事を返さなきゃと思って
男の人を見上げたとき
わたしは初めて見た
翠色の優しい瞳を。
「ぁッ…だ…大丈夫です…////……こちらこそスミマセンでした」
と頭を下げて謝ると
男の人は私の頭を上げさせて
私を見つめながら言った
「俺、咲…さきっていうんや……戸上 咲…よろしく…!」
といきなり自己紹介をされてしまった。
「アンタは…ちゃう…君はなんていうんや?」
いきなりなこと続きだったが
「透…とおるって言います…相良透です…」
たどたどしく自己紹介をした。
すると咲…という男の人は
驚いた顔で
「透…なんか男の子みたいやけど…良い名前やな…」
といいながら
再び私の頭を撫でた。
そして
「透…いきなりやけど明日デートしよ…これは頭にフルーツ牛乳ぶつけたお詫びにしてもらおかな」
そう満面の笑みで言われると
何も言えず、とりあえず頷いていた。
「ほんまか?言うてみるもんやな…じゃあ明日10時…場所は……学校が分かりやすいな…じゃあ校門にな」
とそれだけ言うと
また私の頭を撫で、去っていった
私と咲の出会いは
こうして訪れた
まだ先のことも分からない
そんな中出会った
咲…
可愛らしい名前
そして翠色の瞳
彼は…不思議な人だった。
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