雪世界の青年と老人と…

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真っ白な世界で、黒い煙が上がっている。 爆発によるものであろうが、それは雪風ですぐに流されて霧散していった。 ほとんど消えてしまった黒煙の中心地が、突然盛り上がって雪を吹き飛ばした。 「ブハァ!!」 そこから叫びながら飛び出してきたのは、一人の青年だった。 雪まみれの彼は、寒さに震えながら雪に埋まっていた体を引きずり出した。 「ちくしょ~…あのクソジジィ…!」 彼は体を起こして肩の雪を払いながら、悪態をついた。 顔を上げると、彼はまわりを見渡しながら声を張り上げた。 「出てこい!ジジィ!」
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