3人が本棚に入れています
本棚に追加
真っ白な世界で、黒い煙が上がっている。
爆発によるものであろうが、それは雪風ですぐに流されて霧散していった。
ほとんど消えてしまった黒煙の中心地が、突然盛り上がって雪を吹き飛ばした。
「ブハァ!!」
そこから叫びながら飛び出してきたのは、一人の青年だった。
雪まみれの彼は、寒さに震えながら雪に埋まっていた体を引きずり出した。
「ちくしょ~…あのクソジジィ…!」
彼は体を起こして肩の雪を払いながら、悪態をついた。
顔を上げると、彼はまわりを見渡しながら声を張り上げた。
「出てこい!ジジィ!」
最初のコメントを投稿しよう!