雪世界の青年と老人と…

5/7
前へ
/22ページ
次へ
「喚くない、まったく…。うるっさいのぅ。」 耳の穴を小指で塞ぎながら、老人は五月蝿そうに言った。 対して青年は怒りもあらわに、老人を指差しながら騒ぎ続ける。 「あのなぁ!喚きたくもなるわ!何だって毎日毎日、こんな雪まみれにならなきゃならねぇんだよ!」 青年は老人に詰め寄って怒鳴る。 しかし老人は、彼の怒鳴り声などどこ吹く風であっさりと答えた。 「クリス、お前が弱いからじゃろうが。」 サラリと言われた青年・クリスは、ぐっ、と返事に詰まる。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加