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いろいろあったがおれたちは昼飯を食べ、街をぶらぶらした
気がつけばもう辺りは暗かった
「晩飯どうする?」
とおれが聞く
「ごめん、今日弟の誕生日で家帰らなきゃ駄目なんだ」
葵がうつ向いて言う
「そっか、じゃあ今日はもう帰るか」
「うん、ごめんね」
葵が手を合わせて言う
「いいよ別に、送ろうか?」
「ううん、大丈夫」
「分かった、じゃ」
「じゃあね、帰ったらメールするね、流」
おれは手を振って葵と別れた
家に着くと誰も居なく、電話が鳴っていた
おれは急いで電話に出る
受話器からは男の声が聞こえる
「神崎さんのお宅ですか?」
「はい、そうです」
「息子さんですか?」
「あぁはい、どちら様ですか?」
すると男の声のトーンが変わり
「中園葵は預かった」と言った
「は?誰だよ、お前!」
すると電話が切れた
「なんなんだよ…」
悪戯だと思ったが、昼のサングラスの男が脳裏をよぎる
おれは葵の家へ行くことにした
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