始まり

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少し歩くとまた後ろから声をかけられる   「あの……すいません!」   おれはまたかと思いながら振り向く   年は30代の痩せた男だった   「なんですか?」   少し嫌そうに言ってしまった   「署名をしてもらいたいんです!」   男は突然言った   おれも訳が分からず   「……は?」   と返す   「あぁすいません、いきなり過ぎましたね。最近この辺りの木が減ってると思いませんか?」 「まぁ確かに減ってますね」 「でしょう!大体木は人間の呼吸に必要な酸素を出してくれるのですよ!それに小鳥達の休み場にもなるんです!それなのに何故木を切る!自殺行為じゃないか!さらに……   そのまま10分程経過………   ……なんですよ!……あっすいません、取り乱しちゃいまして、それで森林伐採反対の署名にサインして貰いたいんですよ」   やっと終わった……   「いいですよ」   おれはサインする   「よろしければそちらのお嬢さんも……」 「おい葵、口開いてるぞ」   「んえ?なんか言った?」   聞いてなかったか……   「よければ署名してくれだってさ」 「あぁはいはい、御安い御用」   葵はそういうとサインして紙を男に返した   「ありがとうございました!」   今日はいろいろあるな……
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