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「早く辞めたいわ。あんな仕事。」 年末と言うことで久しぶりに再会した旧友のクーにもらした言葉に。私は自分でも呆れた。 自分で選んだ道なのだ。 どうこう言ったって何も解決はしない。何より水商売に足を踏み入れた時点で、こうなることは目に見えていたじゃないか。 彼女なら、きっとクーなら、心中はそんなものだろうと思い一人言だとでも主張するかのように私は手にあるグラスを口に傾けた。 川 ゚ -゚)「…しかしツンがいわゆるオッパブと言うもので働くとは思っていなかったな。」 長く美しい髪を片手で耳にかけながら彼女は少しの沈黙のあとそう呟いた。 こんな何でもない仕草でも女ですらドキッとするのだから、彼女がどれだけ美しいのかと言うことは言わなくても分かるだろう。 ξ゚⊿゚)ξ「…………まぁね。私も思わなかったわ。到底。考えもしなかった。」 グラスに余った氷をカラカラと回しながら私は彼女に答えた。 思ってもいないことを。 本当は予感はしていた。 いずれこうなるんではないかってことくらい。
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