第二夜「Snow Cat」

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もうどれくらい歩いただろう… トラックが跳ねる水溜まりの泥水に晒され… 雪猫は灰猫に… 魔法をかけられ止まり休むことを忘れた足は裏から少しずつ裂け血が滲む… 赤い靴を履いているよう… 空から黒い鳥に襲われたこともあった… とても怖かった。 勝手に動き続ける足…眠ることもできない。 気絶したって足は動き続けるだろう…でも、気絶してしまったらもう目覚めないかもしれない。 いや…それよりもスノーには気を失えない理由があった。 …チリンチリン… どんなに辛く、苦しくても… …チリンチリン… コレだけは絶対守らなきゃいけない… …チリンチリン… スノーの強い意思と思い… 何があっても顎を引いて、必死に守り歩く… …チリンチリン… どんなにその体が傷ついたって、守り続けた。 ユキからもらったこの優しい鈴の音だけは…。
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