第二夜「Snow Cat」

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聖なる夜は奇跡を連れてくる。 子供たちに夢…恋人たちに愛…大人たちに優しさ… でもスノーは違う…奇跡に向かって自ら歩き続けた。 それは、まぎれもない奇跡… 魔法による奇跡じゃない、魔法はきっかけにすぎない。 辛い過去を背負っていても、スノーは言わば温室で育った雪猫、野生を知らない… そのスノーがついにここまで辿り着いた。 スノーの足はやっと止まることを許されていた。 傷つき疲れ果てボロボロの体が冬の寒さに震える… …チリンチリン… …チリンチリン… 見上げる先は都会の真ん中にひっそり建つアパート… スノーは感じたここにユキがいると… 声を出す程の体力は残っていない。 だが幸運と言うべきか雪の降る冬の寒さがスノーの体を震わせ、鈴の音を奏でる。 …チリンチリン… (…ユキ……逢いに来たよ……ユキ…。) 「…スノー!?」 スノーのかじかむ耳に届いた優しく懐かしい声…ユキの声。
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