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「どうしたの?オムツかな?それともミルク?」
母親は、泣きじゃくるアキラに夢中だ。
「今日ね学校でね。」
割って入るようにシュウは言ったが、当然返される言葉は…
「ちょっと待っててねシュウ。」
真っ先に誉めてもらいたかった…かまってもらいたかった…撫でて欲しかった。
砕けてしまった…感情が…
シュウは一筋の涙を隠し、黙ったまま2階の部屋へ上がった。
弱すぎた…脆すぎた…シュウの心は…
それは母親もちゃんと理解していた事だったが、日々の家事と子育てに追われた生活が、その注意力と観察力を鈍らせ、見落とししまった…シュウの感情の変化を…。
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