第三夜「Cradle」

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その少年は小学3年だったシュウに良く似ている…でもシュウではない。 (誰?あの子) 「あら、アキラおはよう。」 母のその声はシュウにも届いた…。 (…アキラ?あれが?) まさかと思いながら、恐る恐る自分の手の甲を見てみる…シュウはまだ昨日の不思議な体験を夢だったんじゃないかと思っていた…しかし。 (…赤ちゃんの手。) そう、つまり簡単に言えばシュウとアキラは入れ替わった。 母親も父親もアキラ自身でさえ、何もおかしいとは感じていない。 それも魔法の力だ。 シュウだけが昨日までの記憶そのままに赤ん坊の身体を手に入れたのだ。 弟なんていなくなればいい… でも存在を消してしまいたい程の非情な心までは持っていない ある意味ワガママ過ぎる願い…しかしその望みは全て叶った。 ならば、シュウはちゃんと条件も覚えているだろうか…? 今、シュウは願が叶ったことに対して戸惑いながらも歓喜に震えている…。 パパとママの愛情を一心不乱に受けられると…。 覚えているだろうか?あの条件を?
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