一、きこりの歌

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「さて。最初に取り上げる古文はこれだ」 「斧谷先輩に相応しい文章ですね。先輩のクラスメイトだった山守さんもお呼びしましょうか?」 「いや、余計なことはしなくていい。まず水無瀬、この文章の大体の内容はわかるか?」 「うーん、山守に取られた斧が、最後はきこりの手に戻ってます」 「そうだな。きこりが和歌を詠んだ途端に、山守が困って斧を返した。それがわかれば充分だ」 「これぐらいなら誰でも読めそうです」 「ああ。今も昔も人の感性は同じだから、余程勘違いしない限り大丈夫さ」
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