一、きこりの歌

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1.説話集 「この話を読む上でのポイントは三つある。一つ目は『宇治拾遺物語』とは何か、だ」 「『宇治拾遺物語』は十三世紀前半頃に成立した説話物語集である。『今昔物語集』と並んで説話文学の傑作とされる。編著者は未詳」 「花丸模範解答だが、ウィキペディアを読み上げるのはやめろ」 「何故バレた」 「コピペが通じるのは小学生までだ。なら説話集とは何だ?」 「為になる話を集めたもの、でしょうか」 「あたらずといえども遠からず。為になるかは別にして、昔話や世間話も含まれるんだ。『宇治拾遺物語』の場合は、仏教説話・世俗説話・民間伝承に分類される。この文章は世俗説話にあたるな」 「なるほど。だから【今は昔】という文句で始まるんですね」
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