城麻、1

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城麻 真は受験生だ。 今日も明日の定期テストの為に図書館に行って勉強をするべく、電車に揺られている。 家にいれば親が「勉強しろ」とある意味妨害してくるし、生意気な弟が部屋でゲームをし始めるために一切集中できないとこうしてたまに図書館で勉強をする。 時間は2時過ぎ。 気のはやい暇なオバサン達がお菓子を取り出して食べたり、仕事中のオッサン達が睡魔に襲われていたりする平和な時間が過ぎていく。 彼もまた定期的な揺れの中、心地好いまどろみに引き込まれそうになっていた。 うとうとと舟を漕ぎながらも寝ないように、と視線を周りに向けるも、あるのは中途半端に発展した町並みだけ。 「………暇、だな」 この街も、人間も。 なにもかも中途半端なこの場所が、嫌いだ。 とは言え、やはりうつらうつらとしてしまうのは日の光のせいだと言ってしまえば楽だろう。 そうして、真は緩いまどろみに引き込まれていった。
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