習慣

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翌日、見事に晴れた空。 この天気が夜まで変わることはないと天気予報で言っている。 『さて、実家行こうかなぁ。』 葵はソファーから起きて支度をする。 今日も暑くなると言っていたから早めに行く。 実際朝8時の時点で暑くなっている。 『お出かけですか?西崎様。』 管理人が声をかける。 『はい、実家に用事が。』 『そうですか。奥様に宜しくお伝え下さい。』 『はい。』 『お気をつけて、行ってらっしゃいませ。』 管理人は深々と頭を下げる。 頭をあげるの確認してから笑顔で言う。 『行って参ります。』 外はすでに日差しが強い。 実家までは電車で30分ほど離れたとこにある。 本当はもっと離れた所に住みたかったが、母親がそれを許可しなかった。 それでもあの広い家に一人でいるより全然よかった。 駅に着き改札を出てお菓子を買い、実家まで歩く。 歩いて10分…。 『ふぅ、着いた。』 目の前にあるのは自分よりはるかに大きな門にひたすら横に続く灰色の壁。 葵は軽く咳払いをしてブザーを押す。 『葵です。』 そう一言言うと門が開き中に入る。 家までの距離は5mぐらいで、両脇には様々な植物が植えてある。玄関を開けると見慣れた50代の細身の家政婦が笑顔で出迎えてくれた。 『葵お嬢様!おかえりなさいませ。』 『ただいま戻りました。お久しぶりです、鈴木さん。お元気でした?』 『はい。お嬢様もお元気そうで何よりです!』 この家政婦の鈴木とは小さい頃からの付き合いだ。 いつも帰りが遅い両親に変わって色んなことを教えてくれたりした。 『これ、皆さんで食べて下さい。』 持ってきたお菓子を渡す。 『まぁ。お気遣いありがとうございます。』 『今日、お父様とお母様は?』 『旦那様は数日前から海外に出張で、奥様は地方へ出張なんです。今日お帰りになるとはおっしゃったんですが、何時になるとまでは…。』 いつも通りか…。 親用に買ってきたお菓子を見つめる。 『そう。』
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