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『難しい?』
『かなり。でも、なんとかやってみるわ。』
弥生が微笑むと夏樹も笑った。
数週間後、事は静かにおきていた。
『おい、知ってるか?あの噂。』
『知ってる!あれが本当だったらヤバいだろ。』
と、一部の男子が言えば…
『相手って誰なのかな~?』
『この学園には多いからね~。』
と、一部の女子も話す。
これが連載反応を起こし、事件は明るみに出る。
『大変だ!葵っ!!』
また広太が慌てて、教室にいる葵に駆け寄る。
『またどうしたの~?あの話なら…。』
『違うんだ!ちょっとこれ見て!!』
そう言って葵の前にノートパソコンを出す。
瑠美と春菜も一緒に覗き込んだ。
『これ何?』
瑠美が指差す画面に出ているのは、何かの掲示板。
『この学園の裏掲示板。学園の生徒しか見れないんだけど、……ここ!』
広太がカーソルを動かし、見せたい所を見せる。
それを見た葵達は固まる。
―3年 西崎葵は学園内の教師と交際中!―
掲示板にはそうかかれていた。
『何…これ…。』
葵は声を震わせる。
『いったい誰がこんなことを…!広太、わからないの?』
瑠美の問いに首を横に振る。
『もう噂で広まってるんだ。俺もさっき、たっちゃんと宮ちゃんに聞いて見たばっかで、書き込みしたのが誰かわからないんだ。』
葵は画面を見ながら黙ったままだ。
かかれている事はわかるのに、何故か頭が体が動かない。
『瑠美…。』
『何、葵?』
『ぶって。』
『は?』
葵の言った言葉に3人がギョッとする。
『何言ってるの?葵、自分が言ったこと理解してるの?』
春菜が問いただす。
『わかってる。…いいから私の顔をぶって。』
真っ直ぐ前を向いて目をつぶる葵を見て、少し考えた後、覚悟を決める。
『どうなっても知らないよ?』
頷きもしない葵の頬を叩く。
パンッ!!
教室が一瞬にしてシンとなる。
『あ、葵?大丈夫?』
瑠美が慌てて聞く。
俯いていた葵の口元に笑みが出る。
『きっつ。よくまぁ、広太はこんなの受けてるよね~。』
少し涙目になりながら笑って言う。
『よし!目が覚めた!』
それを見た3人は苦笑いをする。
『とにかく、書き込みした人を探し出さないと。』
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