事件勃発

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春菜と瑠美は周りに、この事が嘘だと伝え、広太は副生徒会長の弥生と連絡をとり、誰が書き込みしたのかを調べてもらう事にした。 葵は迎えの車が来る間、保健室で待つことにして尚也と話しをする。 『なんかあったの?あんなとこにいたけど。』 『先生知らないんですか!?』 尚也に掲示板の事を言う。 ……… 『えー!?そんなことになってたの?』 『おかげで私は3人から問い詰められて、周りからは白い目で見られる始末…。』 ベッドにうつ伏せになる。 開いている窓からは、心地よい風が入りカーテンを揺らす。 『書き込みしたのも誰かわからず…教頭先生からは生活態度が悪いって言われるし。』 『それでもめてたわけか~。』 そっと葵の横に座る。 『…最初からやめとけば良かったんだろうね。そしたら、先生達にも迷惑かけなくて済んだのに。…ごめんね、先生。』 尚也を見ながら謝る葵の顔は、今にも泣き出しそうだった。 『そんなことないよ。最初からどうなるってわかるわけないし。』 『うーん…。』 ため息を付く葵を見て、思っていた事を口にした。 『本当は、まだ好きなんでしょ?』 『え?』 驚いて起き上がる。 尚也は笑っていた。 『違う?』 『……。』 何も言えずに、またうつ伏せになる。 『別れたのは陽介のため…でしょ?』 『だ、だって…もしもの場合考えると、これ以上一緒にいるわけにはいかないから。』 『じゃあ、なんで陽介にその事話さなかったの?』 『それは…。』 言葉に詰まったところで葵の携帯が鳴る。 『迎え来たんで帰ります。話し聞いてもらってありがとうございました。』 苦笑いしてお辞儀をする葵。 『いいえ。気をつけてね?』 微笑んで言うと、葵はそのまま車の所に向かった。 尚也はパソコンを立ち上げて、裏掲示板を開く。しかし画面には閉鎖の文字が映っていた。 力になってあげたいけれど、今の状況では何も出来ずため息をつく。 『独身の男性教師マークされてるしなぁ。一応僕も入ってるだろうし…なんかないかな~。』 パソコンを閉じて外を見る。 校庭やテニスコートからは、体育をする生徒の声が聞こえていた。
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