確信

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その時、また春菜の携帯が鳴り部屋に入って話しをしてる間に葵と陽介がため息をつく。 『春菜だからバレることはないだろうけど。』 『…なんで俺、高瀬に怒られなきゃならないんだ?』 少しヘコんでいる陽介の頭を撫でてあげる。 『よしよし。』 『あなた達、まさかできてるんじゃないわよね?』 いきなり後ろから声をかけられびっくりする。 『びっくりした~!違うよ、春菜に怒られたから先生ヘコんじゃって、慰めてあげてただーけ。』 『ふーん…ならいいけど。気を付けなさいよ?』 葵と陽介は顔を合わせてナイナイと手を横に振る。 『それより、葵。私これから人に会わなきゃいけなくなったから今日泊まらないで帰るわ。』 『今から!?』 『うん。ごめんね。』 顔の前で手を合わせて謝る春菜を見て許す。 『大丈夫。じゃあ下まで送るよ。』 『ごめんね。じゃあ先生、失礼します。』 『あぁ。気を付けてな。』 帰る支度をする。 着替えてる時間がないので浴衣のまま帰る事になった。 『大丈夫?』 『うん。でも驚いたわ、まさか隣が東谷先生だなんて…。』 葵は軽く苦笑いする。 『安心して、言わないから。』 エレベーターがつき外の車まで荷物を運ぶ。 『荷物ありがとうね。今日は楽しかったわ!次は夏休み開けね。』 『そうだね。気を付けて帰ってね?あ、金魚あげる。』 『えっ!?いいの?』 『うん。私1人だから、あんまり世話出来ないし。』 『そっか~。ありがとう!…じゃあ、またね。』 『うん、またね。』 手を振り見送ると、部屋に戻りベランダにでる。 『…先生、焼きそばとたこ焼きあるけど食べる?』 『うん、食べる。』 葵は出店で買った焼きそばとたこ焼きを温めてだす。 『ありがとう。ほら。』 缶ビールを貰い陽介の顔をマジマジと見る。 『なんだ?』 『いつもダメって言うのに…。』 『今日はいいもの見せてもらってますから。』 首をかしげる葵に向かって浴衣を指さす。 『若い子の浴衣姿はあんまり間近で見れないし。』 『…オヤジ?』 陽介の頭に怒りマークが付き、葵を睨む。 『…いただきま~す。』 『西崎ぃ~』 飲もうとする缶を取り上げて陽介が飲む。 『あ~!!』 『そういうこと言ってるからだろ?もうあげない。』 『先生~、冗談じゃん!ちょうだい!!』 手を伸ばすがまったく届かず、テーブルを退かして片足をあげてめいいっぱい腕を伸ばす。
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