確信

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翌朝、結局寝れずに朝を迎える葵。 寝れなかった…。今が休みで助かったわ。 ベッドから起き上がりテレビをつけてコーヒーを入れた。 まだ朝の6時。 テレビのニュースをぼーっとしながら見る。 夏休みも残り1週間。 課題は終わりやることといえば予習ぐらいだった。 しかし勉強をする気になどなれなかった葵は本屋へ行く事にした。 朝食をとり、部屋の掃除をして身支度をすませ出かける。 今日も相変わらず暑くなりそうだと感じるほどだった。 気分転換も込めて隣町の大きな本屋へ向かう。 店内は涼しく、葵はゆっくりと色んな本を見て買う物を決めることにした。 もう3時間はいただろうか。 そろそろお腹がすいてきた葵は気に入った小説を一冊買い、満足気に店をでて家に帰る。 マンションの1階にはレストランも付いているのでそこで昼食をとることにした。 (マンションの住民はここで食事する時は半額と言う特定が付いている。) 時間も2時近かったため人もほとんどいない店内。 1人で窓辺に座りメニューを頼み、料理がくる間に買ってきた本を読む。 『お一人ですか?』 顔をあげると管理人が立っていた。 『はい。お昼ですか?』 『いえ、少し用事があったもので。…お顔の色がすぐれないみたいですが大丈夫ですか?』 葵は思わず苦笑いする。 『あまり悩まれると体に毒ですよ?』 『えぇ、わかってはいるんですけど…。』 『…自分の気持ちに正直になって、一歩踏み出すのも勇気ですかね。…では、ごゆっくり。』 自分の状況を見透かされているようでキョトンとしてしまう。 『お待たせいたしました。』 上手い具合に料理が運ばれてくる。 今日のランチセットは冷製トマトパスタにサラダとデザート付きだった。 葵は食べながらも考えてしまっていた。 夕べの陽介が自分にした行動や陽介に対する自分の気持ちなど。 そのためか食事をするのに1時間はかかってしまった。 部屋に戻りソファーで小説を読む。 窓からの風が気持ちよく、寝ていなかった葵には睡魔が訪れすぐに夢の世界に引きこまれていった。
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