確信

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『…もう8時じゃん。』 『ずっと寝てたのか?』 『うん…。』 口に手をあてあくびをして水を飲む。 なんで先生いるんだっけ……? 頭がまだ上手く働かない葵は、陽介を見ながら考える。 しかし、答えがでてこない。 『先生、なんでいるんだっけ?』 陽介は額に手をあて、ため息をつく。 同じことをもう一度言うのはしんどかった。 『……暗くなっても開けっぱだったから心配だったんだよ。』 『心配?』 『西崎になんかあったのかと思ったんだよ。』 少し恥ずかしそうに顔をそむけて頭をかく。 その姿を見て思わず笑ってしまう。 『何笑ってんだ?!』 『大げさすぎだよ~。』 その笑っている顔が可愛らしくて余計恥ずかしくなる。 『ご心配おかけしました。』 『何にもなくてよかったよ。飯食ってないだろ?』 『うん。』 『作ったんだけど食べるか?』 葵はびっくりする。 『先生、料理できるんだぁ~!』 『人を見かけで判断するなっ!!』 2人は昨日の事が何もなかったかのように笑い合う。 『美味しいー!凄いね先生!!』 『いつも西崎が作ってくれてるから、そのお礼。』 陽介が作っていたのはフレンチ。 赤ワインに柔らかい牛肉や魚介のマリネ、ピラフにスープなど。 ベランダで夜景を見ながら食べる夕食は、まるで高級レストランのようだった。 『やっぱり赤ワインだなぁ~。』 『えー?私はシャンパンがいい~。』 『俺は西崎が飲むような高いお酒は買えないの。』 話しと笑いが耐えないこの時間はお互いにとってとても楽しかった。 『そういえばまた花火大会あるんだってね~。』 『今度はちょっと遠いみたいだけど、ここなら十分見えるだろうな。』 『今年の夏もそれで終わりかなぁ~。』 どこか寂しそうに言う。 ご飯も終わり、缶チューハイを飲みながら話しをする。 『そろそろ寝ようかなぁ。もう1時だし。今日はごちそうさまでした!』 頭を下げると陽介もペコッと頭を下げた。 『じゃあ…』 『西崎。』 葵の言葉をさえぎる。 『昨日のことだけど…悪かったと思ってる。でも俺は、お前のことが好きなんだ。葵とずっと一緒にいたいんだ!』
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