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夏休みが明けて、新学期が始まる。
が、明日からすぐに実力テスト。
相変わらず愚痴をこぼすのは勉強苦手な瑠美と広太だった。
『なんでテストなんかあるの~?大っ嫌い!』
『ホントだよぉ。俺、もうダメだぁ~。』
机につっぷしている2人。
『テストって言っても夏休み中の課題からでるんだし、大丈夫でしょ?』
葵が苦笑いしながら言うと、睨まれる。
『簡単そうに言うなぁー!!』
怪獣のごとく暴れそうな勢いだ。
『まぁまぁ、2人とも落ち着いて。今日は午前中だけですし、葵の所で勉強するのはどうでしょう?』
『いい考え~。』
瑠美が手をあげて賛成のに対し、疑いの目を向ける葵。
『ちょっと…今日うちのマンションにあるレストランのバイキング行く気でしょう?』
春菜と瑠美はギクリとする。
『そうなの?』
『広太は知らないの?うちのマンションに入ってるレストランで月1~2回やってるんだ。マンションに住んでる人と連れ3人までは半額になるの。』
『へー!じゃあ俺も行く!!』
3人は喜びあっている。
まぁ先生にはメールしとくか。
まだ瑠美と広太には陽介と隣同士と言う事は知られていない。
そして、恋人同士は誰も知らない。
授業も終わり、4人は真っ直ぐマンションへ向う。
ブー…ブー…
葵は携帯を取り出し見ると陽介からのメールだった。
【メール今見た。高瀬達の件はわかったよ☆俺は今日帰り遅いから鉢合わせは大丈夫じゃないか?】
【だといいけど…。今日の昼食はレストランのバイキング♪】
【( ̄□ ̄;)!!】
思わず吹き出す葵に3人は問う。
『いや、友達からのメールが面白かっただけ。』
『ふーん。珍しいね、メールで吹き出すなんて。』
瑠美が不思議そうに聞くとそう?と笑顔で言った。
【それじゃまたあとでね♪仕事頑張って☆】
【おぅ。気を付けて帰れよ?】
【はーい☆】
葵は大好きな人とベランダ以外で、メールだけれども話しが出来ることが凄く嬉しかった。
表情にださまいと頑張ってはいたが、恋愛系の勘に鋭い春菜は見逃さなかった。
やけに嬉しそう…。絶対なにかあったはず。
春菜は慎重に様子を見る事にした。
レストランに着き、皆は思い思いのものを食べる。
バイキングにしても作っているのは一流シェフ。
昼食に食べるに食べるにはもったいないぐらいのものだった。
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