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午前中も色んな人から質問攻めだったため、お昼休みになると同時に屋上へ逃げた。
瑠美と春菜には一人になりたいと告げて。
屋上は誰でも出入り自由だが、皆は学園内のカフェやリラクゼーションルームでマッサージをうけたりしている。
さすが、有名会社や医者、政治家の御曹司などが入る学園だ。
バックアップがすごい。
『はぁ~。』
今日はいつもの倍疲れるが、綺麗に晴れた空に気持ちいい風が静かに体を癒し眠気を呼んでくる。
『西崎?』
突然声をかけられ上を向くと陽介が立っていた。
『…驚かすの好きですね、先生。』
『別に驚かしてるつもりはないんだけどなぁ。』
葵の横に座るが、葵は何も言わずに持っていたパックのジュースを飲む。
しばらくお互いの間に沈黙が流れる。
『昨日のことだけど…。』
『ご内密にと、言いましたが?』
『もちろん言ってないよ。ってか言ったら担任の山中先生がショックうけて寝込むだろうし。』
二人は笑い合う。
『確かに。で?他に何か聞きたいことでも?』
『相変わらず冷たいよな、西崎って。』
『褒め言葉として受け取っておきますよ。』
陽介はため息をつき仕切りなおす。
『3年の河原と別れたんだってな?朝から報道部がえらい騒い出るのでわかったよ。だから昨日休んでたのか?』
『……。』
下を向きながらジュースを飲む。
『ま、あいつはそこまでのヤツだったんだろう。世の中もっといい男は沢山いるし。』
『わかってますよ。もう5通ラブレターもらいましたから。』
それを聞いてギョッとする。
確かに葵は顔体、全て綺麗でモデルでもやっているかのようなぐらいだった。
しかし、別れて2日後に告白をされるほどとは思いもしなかったと同時に、この学園内の男どもには優しさがないのかとショックをうけていた。
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