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「ファイファーさん」
アリスはそういうと蝶のネックレスをはずしコール・ファイファーのてのひらのなかへと入れる。
「これはファイファーさんがもっているほうがいいのかもしれません」
「やっぱり君がもっていたのかぁ…だめだ、これは受け取れねぇよ、これはマイクが好きだった君にたくしたものだぁあ」
ファイファー先生がずっと探していたのはきっとアリスが持っている蝶のネックレスなのだろう。
「ですが、」
ファイファー先生はそれをアリスのてのひらの中へと戻した。
「割って入るようですけど。
マイク君はみんなのことをまだ見守ってるんじゃないですか?だって…」
僕はファイファー先生とアリスの後ろを指差した。
ファイファー先生とアリスとエレナはその指指したほうをみる。
そこにはマイク君が書いた。
ファイファー先生とその奥さん、
そして幼い頃のアリスとエレナとマイク君が笑顔で写っている絵があった。
「この絵のように、マイク君はみんなに幸せでいてほしいんじゃないですか?だから、笑ったほうがいいですよ、マイク君の分まで」
僕はそういって微笑んだ。
「そうか、そうだよぉなあ」
「うん、そうだね」
三人は納得したように呟くと笑顔になった。
僕たちがマイク君の部屋を出て階段をおりるとき
「アツシ君…アリガトウ」
そんな声が背中のほうから聞こえてきた気がしたが自然と怖くなかった。
少し温かい感じがした。
きっと僕たちのことをマイク君が見守ってくれているんだ。
そんな感じさえした。
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