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「うん、俺はあつし、君は?」
「俺かぁ?」
男は胸ポケットに手を入れると何かの入れ物を取り出す。
煙草だろうか?
「俺はフィリップ、18歳だ、おまえどこからやってきた?」
男は箱から一本を取り出すと口にくわえた。
「俺は日本からきた」
僕はフィリップの煙草を見ながら答えた。
「そうか俺はドイツからだ、なんだ一本いるか?」
フィリップは持っている煙草に火をつけるとライターをしまって、もう一本取り出し僕に差し出すように向けた。
「ほら、吸うか?」
「いや、俺は禁煙家なんだ、すまない」
僕は強気で断った。
「そうか」
フィリップはそういうと煙草を吹かしながらその一本を無造作にしまった。
「18歳だろ?煙草吸っていいのか?」
「ばれなきゃいいんだよ、後先生にちくったらぶっ殺す」
フィリップは一言僕に釘を刺すようにいった。
「わかった、言わないよ」
僕はそういうとフィリップの前を通り旧館の中へと入った。
フィリップは空を見上げならが煙を吐いていた。
旧館の中は本当にぼろいようだった。
何か心霊的なものがいそうな雰囲気がプンプンするのである。
旧館は三階まである。
一階はロビーであろうか人がすむような部屋はない。
そこで僕は重要なことに気付いた。
僕の部屋ってどこだ・・・?
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