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瑞希の家―
『ねぇお母さん。』
「何よ。」
『あのね…』
puruuu…
瑞希が最後まで言い終える前に、母の携帯に電話がなった。
「…もしもし?…あ、〇〇さん?」
『お母さん。』
「あ゛ーうるさいなぁ。どっか行っててよ。……こんなうるさい子、産まなきゃ良かった。」
この日、母に《産まなきゃ良かった。》
そう言われてしまった。
瑞希の頭の中は、今真っ白で、放心状態 になっていた。
『(お母さんって、あたしのこと要らないんだ…)』
瑞希は泣きながら、家を飛び出した。
バタンッ
外は曇り空。
瑞希は泣きながら走る。走る。
20分ほど走ると瑞希は疲れてしまったようで、歩きに変えた。
次は泣きながら歩く。歩く。
しばらく歩くと、草むらをみつけた。
そしておもむろに寝転ぶ。
『…行くとこ無くなっちゃった…死んじゃおっかな…。』
瑞希は上を向いて泣いた。泣いて泣いて泣いた。
すると、天から雫が降ってくる。
雨が降ってきたのだ。
『…この雨うちのこと慰めようとしてくれてるのかなぁ…』
しばらく雨に当たっていたためか、瑞希は震えていた。
『ヘックチュン』
瑞希はくしゃみをした。
次第に頭がガンガンしてくる。
『このまま死んじゃうのかな… 』
瑞希は呟く。
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