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ミストはカーペットに座り、膝の上にゆずを乗せた。
重みが伝わって来て、こんなに小さくとも、しっかり生きているのだということを実感させてくれる。
「ミストちゃんごめんね、ゆず……」
「いいのよ。私がしたくてしたんだから」
すまなそうに言うくるみに、ミストは首を横に振って微笑んだ。
魔世界で、生まれて間もない赤ちゃんを抱かせてもらったことを思い出す。
あったかくて、柔らかくて、でもちゃんと重くて、生きてる匂いがした。
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