第一話 俺とオレと、私とわたし。

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ゆずの細い髪に軽く顔を埋めると、優しい匂いがした。 「みすとちゃん?おやつ、たべないの?」 「ん、そうね。いただきます」 「いただきまぁす」 「ふふっ、召し上がれ」 それからはおやつを食べながら、くるみの中学校や小学校時代の話や、ゆずの幼稚園の話を聞かせてもらったりした。 代わりにミストは、魔世界の話を物語調にして話した。 くるみもゆずも、興味津々で聴き入ってくれた。 ――今、自分が、ごく普通の女の子としてここにいられることに、くすぐったさと、何か温かいものを感じた。
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