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ゆずの細い髪に軽く顔を埋めると、優しい匂いがした。
「みすとちゃん?おやつ、たべないの?」
「ん、そうね。いただきます」
「いただきまぁす」
「ふふっ、召し上がれ」
それからはおやつを食べながら、くるみの中学校や小学校時代の話や、ゆずの幼稚園の話を聞かせてもらったりした。
代わりにミストは、魔世界の話を物語調にして話した。
くるみもゆずも、興味津々で聴き入ってくれた。
――今、自分が、ごく普通の女の子としてここにいられることに、くすぐったさと、何か温かいものを感じた。
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