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「何か、あったの?」
もう一度聞くと、ミストちゃんは口元を引き締めて、ゆずを床に座り直させて立ち上がった。
「ごめんねくるみ。私、行かなくちゃ」
早口でそう言って、するりと脇を抜けていこうとするミストちゃんの手を、くるみは捕まえた。
「くるみ?」
「何が、あったの?」
再三の質問に、ミストちゃんは困惑の表情を浮かべた。
「急がなくちゃ、いけないのよ」
「どうして?」
ミストちゃんの表情が歪む。
くるみは頑として引かない。
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