6807人が本棚に入れています
本棚に追加
《……れ……》
「ひっ……」
周りから小さな悲鳴が上がるのと同時、霙は自分の頭の中で、声が聞こえた気がした。
《…ぞ……ん》
(スリィト……?)
今までこちらに背を向けて突っ立っていた『そいつ』が、ぴくりと反応した。
《み………み……さ…》
〈スリィト……?〉
頭の中に直接伝わる『声』の持ち主の名前を呼ぶ。
ノイズが酷くて、聞き取れない。
『そいつ』は、ゆっくりと…………なぜか、こっちに振り返った。
最初のコメントを投稿しよう!