第三話 不断の非日常、変わりゆく空。

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何も出来ずに固まっていると、霙を見ていたそいつが、曲げていた背中を伸ばした。 ――――――――嫌な予感。 霙は退く民衆とは逆に、前に進み出た。 「みぞれっ……」 リキの制止の声がかかる。 振り返らずに、霙は腰のベルトに触れた。 そこにあるものを確認して、ゆっくりと抜いた。 《霙さん!》 〈スリィト、聞こえるか?〉 頭の中の友人に語りかける。 《聞こえて…す!》 〈なら、指示を頼む〉
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