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《え?》
スリィトが疑問詞を呟いた刹那、
音も無く、『そいつ』が目の前に現れた。
「ギギャアアッ」
「――――っ!!」
咆哮とともに振り下ろされた腕を、左手に持ったナイフで防いだ。
「ぐっ……!」
凄まじい力。受け止めきれない……!
《……止めずに、受け流して!》
「っ!」
相手の腕を押し切るようにナイフを動かして、『そいつ』の右側に回り込んで距離を取った。
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