第三話 不断の非日常、変わりゆく空。
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『そいつ』が腕を振り上げる気配を感じた。 《逃げて霙さんっ!》 (無理だ……) スリィトの声に、胸中だけで返す。 体が恐怖に凍り付いているのが解る。 ―――動けない。頼むから動け。動け――! 《霙さんッ!!》 体は、一向に動かない。 ひゅん、と空を切る音が、聞こえた。 (―――――――っ)
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