第三話 不断の非日常、変わりゆく空。

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霙はナイフ『癒』を逆手に握った。 1度試したコトがある、その術の感覚を思い出す。 リキの怪我の場所が、治るイメージを繰り返す。 「……癒しの力よ。今、ここに宿れ」 小さく、けれど気を集中させて言葉を紡ぐ。 「癒しよ!」 ナイフから淡い緑の光が生まれ、無数の光の玉に変化し、リキを取り囲んだ。 「みぞれっ?」 「大丈夫。そのままで居て」 緑光玉は、リキの周りをくるくると舞うように動き、やがて消えた。 それが消えると同時に、リキの怪我が治った。
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