銀色の少年

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 ここに住む少女。白絹千晴は、庭の掃除をしていた。箒を右に振りながら、青く透き通る空を見上げていた。 「うん。今日もいい天気だなぁ」  にっこりとしながら呟く千晴。  と、その時、空の向こうが小さく光り、それがゆっくりと落ちていくように見えた……。  空を横切る光。気のせいかこちらに近づいてくるように見える。  光はやはりこちらに近づいてきていた。 「うぇ!?なに!なに!」  特撮ドラマのような展開にパニックに陥る千晴。  光は庭にある大きな杉の木の上に落ちたようだ。木は炎上するでも倒れるでもなく、光を受け止めたようだ。 「……」  千晴は恐る恐る木に近づき、木を蹴ってみた。  ドンッという音をならし、木は揺れた。  その直後、木の上から何かが降ってきた。
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