銀色の少年

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「ひ、人!?」  そう。人だ。木の上から落ちてきたのは紛れもなく人間の少年だったのだ。  しかし、なんとも奇妙な姿だった。空から降ってきたにも関わらず、その身体には傷一つないし、背中だけ妙に毛深く、何よりふんどし一丁でほとんど裸だったのだ。 「ちょっと君!?しっかりして!」  千晴は少年の肩を掴み揺さぶった。 「ん……?」  少年は目をさました。 「ねぇ!しっかりして!おーい!」  だが、千晴はその事にまったく気づかず、ひたすら少年を振り回す。  勢いよく振り回され、意識が昇天しそうになる少年。 「こうなったら!」  千晴は何を思ったか、少年の頬を両手で押さえつけ、少年の鼻を口に含んだ。  そして思いっきり息を吐き出した。  花の奥にかつて感じたことのないほど大きな圧力を感じる少年。 「ぶえっ!」  咳き込む少年。 「よかった!気がついたんだね?今人を呼んでくるから、ここで待ってて!」  千晴は神社の中へ駆け込んで行った。
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