E-N

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少しは快方へ向かっている、と信じたかった。 繰り返すぶり返す噎せ返る吐き気は少し息を潜めては、翌日また現れる。 こんな重い荷物を一生抱えていくなんて嫌だ。 出来れば今すぐ消えてもらいたい、そして二度と戻らないでもらいたい。 願えど祈れど歌えど叫べど、荷物は甲高い声で笑う。 何の咎なのか。 何の罪を犯したというのか。 問えど嘆けど恨めど叫べど、荷物は甲高い声で笑う。
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