それは我が侭な贅沢

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「私やっぱりドMだったみたい!」 その、どこまでも純粋な告白を聞いて。 「やってしまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 叫んだ衣玖は大回転しながら地上に向かって落ちていき、方々に雷を撒き散らして「空気読め」と人妖多数にしばかれることとなったのである。 翌日、天子は玄関で新しいブーツを履いていた。怪我はもうすっかり治っている。不良だろうが天人は天人、治癒力は地上人とは比べ物にならないのである。 (さーて、どうしようかな。まずは魔理沙やアリスに謝らないと。ま、素直に謝れるかどうかは分かんないけど、別にどうでもいいか。あ、そうだ、お詫びにみんなを正式に天界に招待するってのはどうかな。雲の上で派手に弾幕ごっこやって、澄まし顔の天人どもを吃驚させる、とか、面白いかも) そんな風にあれこれと空想を楽しんでいると、また後ろから声をかけられた。 「あのう、お嬢様」 振り返ると、あの召使がいる。今日も不安そうな顔で、こちらを見ていた。
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