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「――私は……?」
目を覚ました其処は、白い天井と白い壁、そして何人かの『懐かしい』顔ぶれ。
「……お婆ちゃん……お母さん……」
「私も居るよ、鈴華」
涙を堪えきれずに、溢す少女がその名を呼ぶ。
「沙久弥……」
呼んだ少女は越端沙久弥。
呼ばれた少女は美咲鈴華。
「……ただいま……」
そう微笑んで、鈴華は思う。
『還って来たんだな』と――
――一週間後。
「……今日から復学か……」
寝ていた間の記憶は、今もはっきりとしていて、そのおかげか、より『美咲流』を深く解す事が出来――
――それは昨日の事。
「……鈴華……貴方は……」
組み打ちの後、感嘆を洩らすように祖母、美咲鈴里は言葉を続ける。
「驚きました……よもや奥義を……」
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