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瞼を落とし、暫し何を思うのか。
やがて、ゆっくりと瞼を開き、急激な変化を遂げた孫娘にそれを伝える。
「良いでしょう、貴方に『美咲鈴花』を譲りましょう」
浮かぶ微笑みに、何処か感慨が見えるのは、嬉しさなのか、また別の何かなのか……
何れにせよ、無邪気に喜ぶ孫娘に向けるものは、成長を喜ぶ優しい笑み――
――現在。
朝、食事が出来るまで居間で刀の手入れも鈴華の仕事。
「……随分達者な手入れ作業ですね」
何故か慣れた手際を見せる鈴華に、それは当然の言葉だろう。
「ん~おばあちゃんの見てたし、練習してたから」
初代の人生を追体験してた……とは口にしない。
「そうですか。
鈴華の糧となっているのですから、それで良いでしょう」
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