第二話 本当の怪物

7/7
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
アーティ家、玄関。  学生服姿のヒミコを見送る為に玄関にやってきたアーティ。その両肩には一匹ずつフシアナを乗せている。見た目には違いは全くわからないが、彼の右肩に乗っているのが元々アーティの家に住み着いていたフシアナ。左肩に乗っているのがヒミコについてきたさっきのフシアナだ。 [もぅ暗いから。気を付けて帰りなよ。] [ありがとうアーティ。でも、もぅ暗い夜道は恐くないよ。誰か居るような気がしたって、フシアナちゃんなんだもんね。] [……] じゃ、と、手を振り帰路につくヒミコを見送りながら、アーティはボソッと呟いた。  [気をつけてね。フシアナよりなにより一番質の悪い怪物が夜道には潜んでるかもしれないから。] 突然アーティの両肩のフシアナがキィキィと笑いだした。  [人間っていう化け物が…ね。] アーティはバタンとドアを閉めた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!